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2011年10月 1日 (土)

IT現場と「心の病」

「ITエンジニアのための ハイプレッシャー下での対応術」を読んでいて、仕事上のつきあいのある人物から以前(5年ぐらい前だったか)聞いた話を思い出した。

その人物が勤めている会社で、ある男(SE?)が担当している物件の収拾がつかなくなり、挙げ句の果てに"心を病み"会社を休む羽目になった。復職してみると、薬の副作用なのか顔の相貌が変わってしまっていた...。

雑談の中で聞いた話なので詳しいことは全く不明な訳ですが、当時この話を聞いていくつか感想を持ちました。

(1) "逃げる"という選択は無かったのかな? 知人によれば「家族がいると、それも難しいのかな?」。誉められた手段ではないけれど、最後の手段としてはあり得るかもしれません。

(2) 会社・上司は何していたのかな? 「あれはどうなってんだ!」とハイプレッシャーをかけるばかりが管理ではないはずで、「これ以上は無理」と判断して手を打つのも重要な管理と思うのですが。

(1)(2)どちらにせよ、混乱物件を押しつけられた後継者にとってはいい迷惑かもしれませんが、ここでも会社・上司のフォローが重要になってきますね。

いま振り返ってみると「仕事の混乱が心の病をもたらした」と知人は理解していたわけですが、"心の病"が先にあって、その結果仕事が混乱に陥った可能性もあるわけで、その場合(1)の選択は無いかもしれません。

その後この話題について知人と話をしていないので、その後どうなったかは不明です。

「ハイプレッシャー下での対応術」を読みました

気になっていた本「ITエンジニアのための ハイプレッシャー下での対応術」を読みました。A5版150ページぐらいの小さい本で、イラストも多いので1日で読み通すことができます。

ハイプレッシャー対応における最大のヤマで難関は「誠意を持って謝罪する」ところでしょう(P51)。しかも、「その場しのぎ」(P14)で逃げることなく、「無理難題を請け負ってしまうことなく」(P37)、冷静さを保つ必要があります。

本文から例を挙げると

「1週間以内にバグを全部取り除いてくれ!」
「バグの問題で、大変ご迷惑をお掛けしており申し訳ございません」(P141)

「納期遅れは契約違反だ! どうするつもりだ!」
「お怒りはごもっともです。私共も納期を守り、性能の良いシステムをご提供したいという思いは、お客様と同じでございます」(P142)

という具合に、顧客からの主張に正面から向き合うことは避けつつ、しかし反論することも避け、相手の感情を静めなければなりません。

もちろんハイプレッシャー状況に陥らないことが大切で、そのことにも触れられています(P95:ルールの設定と遵守、P132:仕様変更を減らすには)。とはいえ、この本は開発工程のメインストリームを解説する本ではありません。

私自身はフリーランスとして仕事をしているわけですが、大半の顧客は、そんな業者に仕様や性能や納期やについて厳しい要求をしても仕方がないと思っているのか、この本で述べられているようなハイプレッシャー状況となったことはありません。
しかし、他の(知り合いの)開発会社のメンバーとして顧客に向き合うことはあり、ハイプレッシャー状況に遭遇する可能性はあります。その場合、この本でも注意されているとおり、一人で抱え込むことは立場的にも避けなければなりません。

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