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2017年10月 5日 (木)

「浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか」(島田 裕巳、幻冬舎新書)

「浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか」(島田 裕巳、幻冬舎新書)

タイトルがやや舌足らずで、何が多いのかが判りません。おそらく"信徒が"でしょうか。

内容は、日本の仏教各宗派の歴史概説である。著者自身の歴史観を軸に歴史叙述を展開していく、という感じでもないですね。
200ページ程度の新書で古代から中世にいたる各宗派をまんべんなく取り上げようとすればどこか食い足らないのはしかたない。

仏教というと現代では(あるいは江戸時代からすでに)葬式仏教であり、「死後の極楽往生を願う」教え...みたいな印象がありますが、現実の歴史では飛鳥時代に仏教を国家主導で導入する時から始まり、その後の南都北嶺、中世の一向一揆や石山本願寺、織田信長から徳川幕府に至る近世の宗教政策、さらには明治の神仏分離、廃仏毀釈と、とにかく政治の波に巻き込まれてきた宗教だった。
個別的な宗派の歴史より、政治・経済・社会 対 仏教 みたいな大きな(?)歴史が知りたいです。

全体としてはもの足らないとしても、断片的には興味深い記述がいくつかありました。たとえば、

「今日でも南都六宗の寺院は、檀家のための墓地を設けず、葬儀を営むことがない」(46ページ)。
南都六宗の寺院とは、興福寺、薬師寺、東大寺、元興寺、など。
古代においてはこれらの寺は「官寺」であって、檀家をもたなくても成り立っていた。
現代においても、これらの寺院で僧侶が亡くなってもこれらのお寺が葬儀を営むことはない、と。

「もう一つ戦後(第二次大戦後)の傾向としては、個々の寺院で住職の職が事実上世襲によって受け継がれるケースが増えた」(28ページ)
お寺が親から子へ受け継がれる"家業"になったのはまったく最近のことだったのだ!

「本願寺には ... 神棚を祀ったり、神社に参拝することを拒否したりする。葬儀の際の「清めの塩」を否定する」(141ページ)
これは知らなかった。

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