「仏教 第二版」(渡辺照宏、1974年、岩波新書)
蔵書を整理していたら出てきた本。おそらく高校生のときに購入して読まずにいたもの。今回40年ぶりに通読してみた。
対象は古代インド仏教である。仏教がインドで廃れた経緯も興味があるが、その時代まではカバーしていない。イスラム教によって駆逐された、というような記述はあるが、ジナ教が現代まで残っていることを考えるとインドで仏教が滅びた経緯は簡単な話ではないのでしょう。
古代にインドから中国にもたらされたサンスクリット仏典の多くが散逸したことを著者は惜しんでいる。それもそうだが、日本についた考えたとき、たとえ漢文約からの重訳になるとしても仏典の日本語訳が成立しなかったというのが日本人にとっての大問題ではないか。この点については著者は触れていない。同じ著者で岩波新書に「日本の仏教」という著作もあるので、そちらではどうだろうか。
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