「学校が教えないほんとうの政治の話」(斎藤美奈子、2016年、ちくまプリマー新書)
「学校が教えないほんとうの政治の話」(斎藤美奈子、2016年、ちくまプリマー新書)
斎藤美奈子さんの熱心な読者では無いが、斎藤さんはこんな本も書くのか、というのが最初の感想。
対象読者は高校生ぐらいからの若い世代だろうが、書店で偶然目にして読んでみた。
複数の座標軸(それぞれの軸が各章に対応している)を元に政治の構造を説明しようとするものだが、自分の高校生時分を思い返してみてもこのような理解はできていなかったので、若い読者には政治理解のたすけにはなるでしょうね(アメリカの民主党を左翼政党だと思っている人がいる現状からすると特に)。
どの章も、歴史・過去の経緯を説くにあたってそれこそ高校の社会科の教科書から引っ張ってきたような用語(「自由民権運動」だとか)を使っていて社会科の授業と同じで退屈に感じるかもしれない。また我々のような年長の世代には今更感があるかもしれない。
「政治に中立はない」と書き、それぞれの座標軸に置ける自分の立場を考えるよう・明確にするように著者は促がしているが、読みようによっては分断を煽っているように読めてしまいます。分断の解決は今後の世代の課題だとして、その方向への思索にも若い読者を促がす記述がもっとあってもよいのでは、と感じた。
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