2020年10月11日 (日)

【美術館】「西洋の木版画」展/町田市立国際版画美術館

【美術館】「西洋の木版画」展/町田市立国際版画美術館 (2020年10月10日、東京都町田市)

前々から行きたいと思いつつチャンスが無かった町田市立国際版画美術館に行ってきました。

JR町田駅のターミナル口から徒歩で行きましたが、美術館手前の坂道は本当に急だった。ここだけではなく、横浜線の電車から見えるあちこちの街並みの多くがこんな感じで、相当無理して町を作ってきたようです。

展示は「西洋の木版画」展だった。アルブレヒト・デューラーだとか聖書の物語などは当然のごとく展示されていましたが、19世紀以降の一般大衆向け、あるいは子供向けの作品が面白かった。このころになると文章は活字で印刷するので読みやすくなってます。

 

【美術館】東京富士美術館

【美術館】東京富士美術館 (2020年10月9日、東京都八王子市)

毎日新聞の懸賞で東京富士美術館の特別展の招待券が当たったので、良い機会ということでこの美術館に初めて行ってきました。
この美術館は常設展が注目に値する、というわけでそちらから見て回ります。

【ピーテル・ブリューゲル(子)】
父の作品(「雪中の狩人」と「農民の結婚式」)の複製が2点展示されていた。
「農民の結婚式」はこれとは別の複製をどこかで一度見ているが、「雪中の狩人」の複製は初めてだと思う。
「雪中の狩人」は父のオリジナルよりはかなり小さいが、変にアレンジしている部分が、狩人の服の強い赤などを除けばあまりなくて上質な複製と思いました。
かたや「農民の結婚式」は舞台を屋内から屋外に移すなどのアレンジを加えている。この画家の特徴的な人物像、とくに目の描写の特徴が遺憾なく発揮されています。

【ナポレオン】
ナポレオン・ボナパルトの他、皇妃、ナポレオン三世など肖像画がいくつもあった。
それどころか、展示室とは別に過去の特別展のポスターが飾ってあるコーナーがあったのですが、ナポレオンに関する特別展をいままでに5、6回やっています。
ナポレオンに対するこだわりがこの美術館にはあるようです。

(そういえば、この美術館のとなりに宮殿みたいな建物がありました。路線バスから見る限り敷地内に人影はなく、建物の名称や所有者を窺わせる表記・看板も見当たらなかったので何かの廃墟かと思いましたが、そうではないようです。「創価学会 東京牧ロ記念会館」というらしい。2020/10/15 追記)

【20世紀】
デ・キリコの作品の実物をおそらく初めて見ました。それ以外にもアンディ・ウォーホール、ロイ・リキテンシュタインなど、今回の常設展でもっとも上質な展示は20世紀美術だと思います。

【17世紀から19世紀前半】
当時のオーソドックスな肖像画や風景画が多く、特筆すべきものはあまりなかったかな。名前を初めて見た画家が多かったです、と言うか知っている名前の方が少なかった。(知ってる名前というと、カナレット、イアサント・リゴー、アントワーヌ・ジャン・グロ、ぐらい)
19世紀のイギリスの画家による風景画がいくつもありました。どれも17世紀以来の風景画のスタイルで特にどうということはなかったですが、このジャンルの根強い需要を感じさせます。

【特別展:「THIS IS JAPAN」展】
元々この特別展の招待券をもらったからわざわざ八王子まで出かけたわけですが、この特別展にはあまり期待していませんでした。
それでも吉田博という画家を知ったのは収穫でした。この人は大正~昭和初期という時代に山に籠ってまでして富士山などの山岳風景を木版画にしています。富士山を描くにしても「日本画風」でないところがよいです。

【総評 (2020/10/15 追記)】
なかなか見ごたえのある美術館でした。静岡・熱海のMOA美術館よりは間違いなく上です。
「芸術新潮 2020年1月号」の記事によれば、この美術館はジョルジュ・ド・ラ・トゥールの作品も所蔵しているらしい。今回は残念ながら出てなかったが、機会があれば見てみたいです。

 

2020年10月 3日 (土)

【美術館】「殿さまが好んだヨーロッパ」/徳川美術館・名古屋市蓬左文庫

【美術館】「殿さまが好んだヨーロッパ」/徳川美術館名古屋市蓬左文庫 (2020年9月30日)


ヨーロッパから尾張徳川家・徳川美術館に伝えられた品々の特別展。
医学・地理学・植物学・軍事など実用分野の文書と美術・日用品分野の実物とに大別されるが、前者は主に名古屋市蓬左文庫が所蔵し、後者は徳川美術館が所蔵しているようだ。

美術・日用品分野では繊維製品や革製品が主で、絵画については木版画が少しある程度だった。江戸時代には油彩画は入ってこなかったのかな?

世界地図が何点か展示されてたが、それを見て気が付いたこと。「太平洋」を「大東洋」と表記しているのが幾つかあった。確かに「大西洋」に対して「大東洋」はつり合いが良いが。"Pacific ocean"には「太平洋」といううまい訳語ができたが、"Atlantic ocean"には良い訳語が見つからなかった、というのが現在の用語になった経緯でしょうか(想像)。

文書にかんしては杉田玄白らの「解体新書」、林子平「海国兵談」、といった歴史的な作品もあった。ただし何時から収蔵されるようになったかは不明。江戸時代にすでに入手されていたとしたらすごいです。

 

2020年9月14日 (月)

【美術館】北澤美術館/諏訪市美術館

北澤美術館。エミール・ガレなどの工芸品と現代日本画の展示。
エミール・ガレは名古屋のヤマザキマザック美術館などあちこちの美術館で見るような気がして、「なんとも多作な作家だな。それともガレを好むのは世界で日本人だけなのだろうか」などと思ってきましたが、北澤美術館の説明を見て理解しました。
個々の展示品の表示にある「エミール・ガレ」というのは作家の名前ではなく、製造メーカーの名前と理解しないといけないのだ。ラジオ博物館の展示品にある「ソニー」や「松下電器」などとほとんど同じである。
ただ、電機メーカーほど大きな企業ではなくて個人企業なので、製品のデザインや企画に経営者であるエミール・ガレ本人のアイディアが一貫している、というのはあります。このあたりのことは、絵画では17世紀のルーベンス、現代のファッションブランド(ブランド名が個人名になってる)にも見られますね。

エミール・ガレの死後、エミール・ガレはどうなったのだろうか。

北澤美術館のとなりに「サンリツ服部美術館」があるが今回は見送りました。


諏訪市美術館。常設展は長野県とくに諏訪に縁のある作家の絵画や彫刻。初めて見た作家名ばかりであった。故人ばかりで現役の作家はいなかったような。制作時期は20世紀の初期から末期まで。絵画については19世紀後半のフランス絵画の流れを汲むものがほとんどで、現代美術的なものはそれほどなかった。シュールレアリスムを取り入れたものが1点あったが、その制作が戦前なのは驚き。

細川宗英という彫刻家の作品が多数取り上げられていた。この人の作品だけが特別に多数(20点ぐらい)、しかも展示コーナーを区切って展示されていたので、特別展かと思ったら違い、常設展らしい。この人はロダンに止まらず、現代性を追求したひとだったようです。

【博物館】日本ラジオ博物館

【博物館】日本ラジオ博物館 (2020年9月12日、長野県松本市)

立地が良くないです。今年初めまでは市内中心部にあったのが、テナント料が重荷だったのか市の外れに移転しました。それにしてもバス停からの道は車の交通量が結構あるにもかかわらず歩道がない。この道でよいのか心配になるぐらいでした。前の場所であれば、たとえば松本市時計博物館や松本市はかり資料館といっしょに見ていこうという人を取りこめたと思うのですが。

展示は、戦前から現代(といっても90年代ぐらい)までのラジオをまんべんなく見せるものだった。ただ、個人的には記憶や思い入れのある70年代以降のものを中心に見てしまいますね。その時代のテレビやステレオやビデオデッキの展示もありました。(それらの展示ばかりにしてしまうと「昭和博物館」的になってしまいますけど)

NECや富士電機などの企業もラジオに参入していたことに時代を感じます。
"ナナオラ"などの忘れられたブランドの製品も展示されていたが、やがて"AIWA"や"サンヨー"も忘れられていくのでしょうね。

私がラジオというメディアの存在を認識したはじめは父親の自動車のカーラジオだったと思うが、その展示は無かったです。
また、最初の自分のラジオは「ラジオキット」だったですけど、その方面の展示も無かった。コレクションにはあるけど展示してなかっただけか、そのあたりは不明。

 

2020年7月 5日 (日)

【美術館】メナード美術館 (2020年6月27日、「画家たちの欧羅巴」)

【美術館】メナード美術館 (2020年6月27日、愛知県小牧市)

年に2回はこの美術館に行きますが、ことしは今回が初めてである。
ここもしばらく休業していたので再開を待ちわびていた人で混雑しているかも、と心配しましたがその心配はまったくありませんでしたね。
それどころか、7月から月・金曜日を休みにするとのこと。

入口で体温のチェックをされアルコール消毒を求められた。そのうえ「会話を極力お控えください」との注意が。
しかし美術館では黙って作品を見るより、同行者と感想を話し合いながら見る方が絶対楽しいです。なので、控えめながら今回も夫婦であれこれ話しながら見て回りました

この美術館は展示替えを頻繁にする上、収蔵作品数に比べて展示作品数を抑えているので、行くたびに初めて見る作品に出会います。
しかし今回は特に初めて見る作品が多かった印象です。


企画展は「画家たちの欧羅巴」。
岸田劉生「道と電信柱」(1914) 絵の上部の半円形の縁取りはヨーロッパ中世の祭壇画などから来た?
今井龍満「Cheetah」(2017) 今も作品の購入をしているようだ。

 

2019年5月27日 (月)

【博物館】一遍聖絵/京都国立博物館 (2019年5月26日)

【博物館】一遍聖絵/京都国立博物館 (2019年5月26日)

開催中の特別展で一遍聖絵を見てきました。
この絵巻物については昔から知ってはいましたが、網野善彦著「日本の歴史をよみなおす」(ちくま学芸文庫)でこの絵の思想史的価値に触れらているのを読んで、この機会に実物を見ようと思ったわけです。

詞書を読めない(読むスキルがない)ので、絵の部分だけを見て素人なりに解釈したくなってきますが、それは危険ですね。
実際、場面の一つ一つについて一遍はどれだ、と無理やり探したりしていましたが、あとでミュージアムショップで立ち読みした本によると一遍が出てこないシーンもあるらしい。


日曜日にもかかわらず館内は空いていました。GWさなかの東京国立博物館の行列からすると信じられないほどである。

今回の京都では国立博物館と、向かいの三十三間堂にだけ行きました。あと、三十三間堂の裏の法住寺もちらっと見てきた。ここには後白河天皇の墓所があるらしいが残念ながら公開されていないようだ。

 

2019年4月29日 (月)

【美術館】メナード美術館 (2019年4月28日、愛知県小牧市)

企画展は「シャガール マチス ルオー 三人の画家の版画集」。
シャガールとルオーは他の美術館でも見かける気がするが、マチスの「ジャズ」はおそらく初めて見た。
「ジャズ」は音楽とはまったく関係がない。刊行年が戦後の1947年で、フランスにも音楽のJAZZが大量に入ってきたと思われるので、おそらく商業上のイメージ作りのためにこのタイトルにしたのではないか。
逆にJAZZのアルバムジャケットにマチスの作品を使っているものがありましたね。だれのどのアルバムか思い出せないですが。

常設展ではパブロ・ピカソ「恋人たち」が今回の発見。薄い黒とわずかな線だけで描かれていて、自分も絵がこんな風に描けたら、と思わせる作品です。
キュビスムとかのアイディア勝負ではなく、ピカソのベーシックな絵画能力を十分に見せつける絵です。
(googleの画像検索ではこの絵が見つからなかった。メナード美術館のサイトにも無い。)

2018年9月24日 (月)

【展覧会】「ハピネス」展 (名古屋ボストン美術館)

この展覧会は日本もアジアもヨーロッパもアメリカも古代も現代もごちゃまぜでとくに目玉が無い、というわけで割と気楽に見て回ることができましたね。

興味深い出品は
「仏頭」(8世紀、インドネシア/ジャワ島)。なんとなくイスラム教の国というイメージがありますが、仏教も存在したことがわかります。
「山間望月」(フランシス・ガードナー・カーティス)。アメリカ人の描いた日本画。
といったところか。

最後のほうにまとまって展示されていたジム・ダインの作品群はどれもハート型をモチーフにしていて、やや安っぽいデザインの気がしましたね。ハート形のイメージが日本人と欧米人とでは違うのかもしれませんが。

名古屋ボストン美術館の最終展である。
この美術館には何回来ただろうか(おそらく4回)。

2017年10月 1日 (日)

【展覧会】「バベルの塔」展 (国立国際美術館)

週末とは言え入場者が減り始めると思われる16時ごろに行きましたが、結構な入場者数でした。
ブリューゲル作品といえば、私が初めて見た1990年の「干し草の収穫」以来何点かの作品が日本に来ていますが総じて地味で、前回「バベルの塔」が来たときも含めて行列などできていなかった、と記憶しています。ところが今回は「バベルの塔」の前に行列ができていた。
集客のための宣伝が効いているのか?

バベルの塔を正面から見るには行列に並ばなければならないのですが、私は並ばないで横から見るだけにしました。拡大複製も展示されていたので、そちらでじっくり見ましたね。

今回はブリューゲルの版画も多く出ていました。残念ながら照明が暗いうえに作品までの距離が手を伸ばしても届かない程度に取られているので、細部を鑑賞するのが困難だった。作品保護のためには仕方ないのでしょうけど。

個人的に関心を持った画家は”ヤーコプ・コルネリスゾーン・ファン・オーストザーネン”。

1520~1530年ごろに描かれた夫婦の肖像画を見るとなかなか達者な腕前に見えます。それに対して同じ画家の「聖母子と奏楽天使たち」の人物像は少々ぎこちなくて、同じ画家にしては落差が激しいです。

カタログでは、肖像画は画家の息子が描いたのかも、とありますが。